できる限り天然歯を残し、
生かすために
再生療法や移植・再植
歯の温存治療に全力を尽くします
すでにご存知の通り、抜いてしまった(抜けてしまった)歯が再び生えてくることはありません。削ってしまった部分が元通りに戻ることもありません。私たちは天然の歯の尊さを知っているからこそ、天然の歯を残す治療を最優先し、再生療法や移植・再植などの治療に全力で取り組んでいます。
ご相談ください
永久歯を失う原因、
1位は歯周病・2位はむし歯
平成30年に行われた永久歯の抜歯原因の調査によると、永久歯を失う理由の第1位は37.1%で歯周病。第2位は29.2%でむし歯です。永久歯を失ってしまわないように、メインテナンスを行い、しっかりとケアをしていきましょう。
自家歯牙移植(歯の移植)
親知らずを移植する治療法を
ご存知ですか?
親知らずなどの機能していない自身の歯を、欠損した歯の代わりに移植する自家歯牙移植。あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、50年ほど前から歯の欠損を補う治療方法の1つとして存在してきました。
当時は歯牙移植の成功率が低いことなどから一般的にはなりませんでしたが、歯科用CTの普及や治療方法の確立により移植の成功率が高くなり、今では選択肢の1つとして考えられるようになりました。
メリット
- ・自分の歯で噛むことができる
- ・歯根膜を維持することができる
- ・親知らずの抜歯と移植、2つの治療を同時に行うことができる
- ・周囲の健康な歯を削らないので負担が少ない
- ・保険適用で治療できるケースがある
- ・インプラントと比較して経済的負担が少ない
デメリット
- ・移植できる歯がある場合に限られる
- ・移植後に歯が定着しないことがある
- ・ご高齢の方は成功率が下がる可能性がある
- ・必要最低限の顎の骨が必要
移植するために必要な主な条件
- ドナー歯(移植する提供歯)があること
- 移植する条件はドナー歯があることです。親知らずやかみ合わせのない歯などが対象です。
- ドナー歯の歯根膜が
十分にあること - 歯周病などの原因により、ドナー歯の歯根膜にダメージがあると移植ができない場合があります。
- ドナー歯の根の形が
複雑でないこと - ドナー歯の歯根が湾曲していたり、抜歯の時に歯根膜を傷つけてしまう恐れがある場合は移植できません。
- 移植先のスペースとドナー歯のサイズが適正であること
- 移植先のスペースと移植する歯のサイズが合わない時は移植ができません。
歯根膜の重要性
インプラントと歯牙移植の違いの1つに歯根膜の有無があります。歯根膜は歯と顎の骨をつなぎ、食べ物の強度に合わせて衝撃から歯を守ってくれるクッションのような役割をしていますが、インプラントには歯根膜の代わりとなる機能が基本的に備わっていません。そのため顎の骨に負担がかかって骨が痩せてしまったり、それを解消するための調整が欠かせません。
各歯の名称
- ・レシピエント歯(受給歯)・・・
ダメージを受けて抜歯する歯 - ・ドナー歯(提供歯)・・・
移植する歯
移植のおおまかな流れ
Step.01
口腔内チェック
お口の中・歯・詰め物の状態・歯科疾患の進行状況を確認します。必要な場合は歯科疾患の治療を優先する場合があります。
Step.02
画像診断
レントゲンと歯科用CTで画像診断をします。ドナー歯、レシピエント歯、移植先のスペースを事前に確認します。
Step.03
コンサルテーション
検査の結果、今後の治療方針、メリット・デメリット、歯牙移植の流れなどについてご説明します。
Step.04
レシピエント歯(受給歯)の抜歯
(レシピエント歯がある場合)
レシピエント歯が残っている場合、レシピエント歯の抜歯を行います。
すでに歯が欠損している場合は当てはまりません。
Step.05
ドナー歯の抜歯
ドナー歯を抜歯します。ドナー歯の根の先に炎症がある場合は炎症がおさまるのを待ってから移植します。
Step.06
移植
移植先の歯槽骨にソケットを作成し、ドナー歯を移植します。
Step.07
固定
移植したドナー歯が定着するまで固定期間を設けます。消毒と経過観察を継続して行います。
移植と再植
何が違うの?
移植
抜歯した部分、または歯が欠損している所へ親知らずなどの別の歯を移植することです。
再植
歯根などに問題を抱えている歯を一度抜歯して、治療後に歯を元の場所へと戻すことです。
歯周形成・歯周再生療法
(重度の歯周病の方へ)
歯周形成外科療法
FOP(フラップ手術)
歯根や歯槽骨に付着した歯石や汚染物質(不良肉芽)を除去する手術です。麻酔を行ってから歯ぐきを切開して、歯石や不良肉芽などを除去し、縫合します。その後は歯周ポケットの減少が見られるようになります。
メリット
- ・器具の届きにくい縁下部分の歯石を確実に除去することが期待できる
- ・歯槽骨や歯根の状態を肉眼で把握することができる
- ・歯周ポケットを減少させ、歯石やプラークが溜まりにくくなることで、歯周病の進行を抑えることができる
デメリット
- ・歯肉を切開して施術するため、傷が治るのに数週間かかる
- ・知覚過敏が起こりやすくなる
FGG(遊離歯肉移植術)
遊離歯肉とは歯の生え際にある触ると動く部分のことです。歯周病が進行すると、歯肉が下がるため歯が長く見えるようになります。そのような症状時に行う手術で、上皮組織と結合組織を同時に切り取り、むき出しになってしまった歯根の周囲に移植を行います。
CTG(結合組織移植術)
結合組織とは触っても動かない部分の歯ぐきです。FGGと同様に歯肉の退縮時に行う手術で、口の中から結合性組織のみを切り取って歯根の周囲に移植します。歯肉の厚さを増やすことができるので審美性の向上も期待できます。
歯周組織再生療法
リグロス・エムドゲインを
用いた再生療法
フラップ手術で切開した部分にリグロスやエムドゲインを投与し、歯周組織の再生を促進する方法です。成長因子の作用で細胞が増殖し、破壊された歯槽骨や歯周組織や血管を再生します。
メリット
- ・失われた歯槽骨の再生が見込める
- ・歯肉切除の必要がないため、身体への負担が軽減される
- ・抜歯を回避し、自分の歯を使い続けることができる
デメリット
- ・歯槽骨の再生にはある程度の期間を要する
- ・治療後の継続したメインテナンスが必要となる
治療の流れ
天然歯を失ってしまった場合の
治療法
歯の保存が難しい場合は
どうすればいいの?
当院ではできるだけ歯を残すために尽力を注いでおりますが、それでも条件を満たせず保存が難しい場合があります。
代替治療としてインプラント・義歯(入れ歯)・ブリッジがあり、それぞれの特長を説明し、ご理解いただいた上で患者さまのライフスタイルに合った治療をご提案しています。わかりやすい説明を心がけておりますので、お気軽にご相談ください。
インプラント
天然歯のように違和感のない
機能と美しさを実現
インプラントは自分の歯と変わらない感覚でしっかり噛むことができ、審美的な美しさも優れているため、多くの方に選ばれている治療法です。質の高い口腔機能の回復と、健康な歯を守ることができます。
当院では精確な診断のための設備と安全な治療を心がけております。保証制度もございますので、お気軽にご相談ください。
義歯(入れ歯)
しっかり噛める、生活を支える
パートナー
合わない入れ歯を使用し続けると、お食事がうまく取れず、よく噛まずに飲み込んでしまうため、胃に負担がかかってきます。
当院ではしっかり噛める入れ歯を作製し、できるだけ天然歯に近い状態でお食事を楽しんでいただけるよう努めています。
今の入れ歯が合わずお困りの方や、今後入れ歯を検討している方、様々な種類の中から患者さまのご希望に合わせてご提案いたします。
ブリッジ
安定感があり違和感が少ない、
保険が適用できる場合も
失った歯の両サイドにある健康な歯を支柱にして、橋をかけるように義歯を固定する方法です。安定感があり、自然な付け心地、素材や条件によって保険が適用できる治療法です。
メリット
- ・本来の歯に近い噛み心地
- ・安定感があり自然なつけ心地
- ・外科手術が不要
- ・着脱の必要性がない
デメリット
- ・健康な歯を大きく削る必要がある
- ・清掃性が悪く汚れがたまりやすい
- ・歯の欠損本数が多い場合は適用できない